用語集


あ行

ISO
製品やサービスの国際協力を容易にし、知的、科学的、技術的および経済的活動分野における国際間の協力を助長するために世界的な標準化およびその関連活動の発展促進を目指して、1946年に設立された国際規格機関の世界的連盟である非政府間機構。
RMS
実行値。
A特性
騒音の評価をするための代表的な周波数重み付け特性。騒音の大きなの感覚に対応すると考えられ、国内法規ではもちろん、国際的にも騒音レベルはA特性で評価する。
NC曲線
騒音を評価する方法の一種でBeranekにより提唱された。
大きさのレベル
ある音について、正常な聴覚を持つ人が、その音と同じ大きさに聞こえると判断した1000Hz純音の音圧レベルの数値。単位記号は、phon。
音の大きさ
音の強さに関する聴覚上の属性であって、小から大に至る尺度に配列できる。音の大きさは、主として音圧の大きさに依存するが、周波数や波形などにも関係がある。
音の高さ
聴覚上の音の性質の一つで、高低で表現する。 音の高さは主として音の周波数(単位Hz)に依存するが、音圧や波形などにも関係する。
音の強さ
音場中の1点において、音の進行方向に垂直な単位面積を、単位時間に通過する音のエネルギー。
音圧レベル
ある音の音圧と基準音圧との比の常用対数の20倍。基準音圧(0dB)は空気中の音の場合、0.0002μbar{0.002Pa}(実効値)とする。この値は、平面進行波においては 10-12W/m2にほぼ対応する。
オーバーパスレベル(オーバーオールレベル)
騒音をバンドパスフィルターなどフィルターを通さないときのレベルをいう。 これに対しバンドパスフィルターを通した周波数成分の強さをバンドレベルという。
音響透過損失
遮音材料の性能を表す値で材料に入射する音の音響パワーに対し、透過する音の音響パワーが、どれだけ低下したかをdB値で表示したもの。

か行

可聴周波数
正常な聴力を持つ人が聞くことができる周波数。だいたい20Hzから20000Hzまでの周波数帯の音。
環境基準
環境基本法第16条により生活環境を保全し人間の健康を保護する上で「維持することが望ましい基準」とされ、環境改善のための行政目標であり、最大許容限度、理想値ではない。
吸音率
ある面に音が入射する場合、反射エネルギーと入射エネルギーの差を反射率といい、反射率を1から引いたものを吸音率という。周波数、音の入射条件で異なる。
共振
振動体に固有の振動数の外力が加わった場合、特に大きく振動する現象。
コインシデンス効果
遮音板中に生ずる屈曲波(横波)の速度が、空気中を伝わる音波の伝播速度と等しくなるため、ある周波数で透過損失が質量側より著しく低下する現象。
吸音率
ある面に音が入射する場合、反射エネルギーと入射エネルギーの差を反射率といい、反射率を1から引いたものを吸音率という。周波数、音の入射条件で異なる。
環境計量士
環境測定の重要性にもとづき、高度な計量技術者を確保すると言う観点から計量法に定められた計量士の一種。国家試験により認定され、計量証明事業者に必要とされる。

さ行

最小可聴域
音の感覚を生じさせ得る最小音圧の実効値で、通常は音圧レベルによって表す。最小可聴域は、音の性質、聞かせる手続き、音圧を測定した点などにも影響されるから、必要な場合には測定条件を明記する。
最大可聴域
音の感覚以外にほかの感覚、例えば痛感などを生じさせる最小音圧の実効値で、通常は音圧レベルで表す。
残響時間
音があるレベルから60dB低減するのに必要な時間をしめす。残響時間は、室の音状態を示す指標にも用いられ、室の大きさ使用目的により最適残響時間が提案されている。
質量則
遮音層が緻密で一体構造を持っている場合に、音波が入射したとき主としてその慣性によって抵抗する。したがってその透過損失値は、遮音層の面重量すなわち質量に依存するという法則。
周波数分析
複雑な音又は振動について、その成分の大きさを周波数の関数として求めること。 代表的なものにオクターブ分析(CPB)と狭帯域分析(FFT)がある。
純音
瞬時音圧が、時間の正弦関数である音。
振動計
振動体の変位、速度又は、加速度を測定する装置。
スペクトルレベル
連続スペクトルを持った音のある周波数を中心とした幅1Hzの周波数帯域内に含まれる成分音圧レベル。
騒音
望ましくない音。例えば、音声、音楽などの伝達を妨害したり、耳に苦痛、障害を与えたりする音。
騒音レベル
騒音計で測定した聴感補正ずみの音圧レベル。
2.上の関係が実験によって確認されている範囲は、20phonから120phonまでである。

た行

帯域幅
フィルタなどの通過帯域の幅。帯域フィルタの場合は、二つの切断周波数の差又は比(オクターブ)で表す。
帯域フィルタ
周波数f1からf2までを通過帯域とし、0からf1及びf2から∞までを減衰帯域とするフィルタ。この場合、f1、f2(>f1)は、0及び∞を除く任意の値とする。
ダンピング材料
金属板などが振動して音源になっている場合、可聴周波数の振動防止に使用される材料=制振材。
強さのレベル
ある音の強さと基準音の強さとの比の常用対数の10倍。基準の音の強さは、空気中の音の場合、10-12W/m2=10-16W/cm2とする。
定在波
同一周波数の進行波の干渉によって生じる空間的な振幅分布の定まった波。 代表的な例として鳴き竜現象などがある。
デシベル
パワーや音の強さその他の量を比較するのに用いるディメンションのない単位。
①二つのパワーの量をW1、W2とすると、その差は n=10log10W1/W2dB で表される。音の強さ及びエネルギー密度もこれに準ずる。
②音圧(粒子速度、電圧、電流)などパワーの平方根に比例する量は、二つの音圧をp1,p2とするとその差はn=20log10p1/p2dB で表される。

な行

音色
感覚上の音の性質の一つで、二音の音の大きさ及び高さがともに等しくてもその二音が異なった感じを与えるとき、その相違に対応する性質。音色は音のスペクトル、波形、音圧及びそれらの時間的変化などに関係がある。
ノイジネス
ノイジネスは航空機騒音の評価研究が進むに連れ明らかになり、K.D.Kryterらは、高音域成分の強いジェット機騒音の不快感がその他の日常に存在する騒音に比べて際立って大きい事実に着目し、音の大きさとノイジネスの相違を明らかにし、Perceived Noise Level(PNL)を提案した。音の大きさに比べて、ノイジネスの概念には議論の余地が残っているが、音響心理実験による不快感の研究のためには重要な概念である。なお、Noisinessに対する日本語には、「やかましさ」をあてることが多い。

は行

白色雑音
連続スペクトルをもつ雑音で、ある周波数範囲では、単位周波数帯域1Hzに含まれる成分の強さが周波数に無関係に一定である音。電気回路において同様な性質を持つ波にも使用される。
倍音
周期的複合音の各成分中、基本音以外のもの。第n倍音とは、基本音のn倍の振動数をもつものをいう。
バンドレベル
ある周波数帯域内に含まれる音圧レベル。例えば、その周波数帯域の幅が1オクターブであるときには、オクターブバンドレベルという。
FFT変換器
騒音や振動を高速フーリエ変換してスペクトル測定する機器のこと。FFT方式の周波数分析器は、いろいろな周波数成分を含んだ入力信号を高速フーリエ変換することによって周波数ごとの成分に分解してパワースペクトルを求めると同時に、騒音や振動の問題を解決するのに役立つ各種の関数を求める機能を持つ。
フィルタ
特定の周波数帯域のエネルギーを通過させ、ほかのすべての周波数のエネルギーを阻止する変換器。
普通騒音計
騒音レベルの測定器。
FletcherとMunson
彼らは、1930年代に純音のラウドネスを聴覚実験によって定量化する試みを行い、純音の等ラウドネス曲線を制作。その曲線はその後長く国際的に使用された。しかし彼らは、純音のラウドネス研究にとどまり、騒音の領域には進まなかった。

ま行

マイクロホン
音響系から電気系へ変換する電気音響変換器。
マスキング
①ある音に対する最小可聴域が、他の音の存在によって上昇する現象。
②ある音に対する最小可聴域が、他の音の存在によって上昇するときの上昇量をデシベルで表したもの。
明瞭度
試験用音声に含まれる音声単位の総数のうち、正しく聞きとれた音声単位の割合を百分率で表したものであって、着目する音声単位(百分率算出に用いる音声単位)が単音又は無意味な音節の場合に用いる。
明瞭度は、元来送話者、伝送系、受話者を含む全通話系の特性を表すものであり、もしも通話系の一部の特性を表すために用いるときは、通話系の他の部分の特性を明示する必要がある。

や行

ら行

ラウドネス
耳がある音の刺激を受けたときに生ずる音の強さに関連した感覚の強弱の程度、音の持つエネルギーに対する人間の感覚を、音の大きさ(ラウドネス)という。音の大きさは主として音圧に依存するが、周波数や波形等にも関係がある。周波数の異なる純音の大きさの相互関係については、 Fletcher と Munsonの等ラウドネス曲線が長い間値いられてきたが、現在はISOの等ラウドネス曲線が、国際的に使用されている。
ラウドネスレベル
ある音について、正常な聴力を持つ人が、その音と同じ大きさに聞こえると判断した1,000Hz純音の音圧レベルの数値。音の大きさそのものの感覚量については、音圧レベル40dBの1,000Hz純音の大きさを1soneとする。

わ行